日本初!小売や買い物客へのマーケティングに特化した入門書『トレードマーケティング』出版にかける想いとは

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日本初!小売や買い物客へのマーケティングに特化した入門書『トレードマーケティング』出版にかける想いとは
目次

書籍『トレードマーケティング 売場で勝つための4つの実践』(井本 悠樹著)が株式会社宣伝会議より本日(2月26日)発売されます。

ちょうど1年前の2月、宣伝会議社の会議室でウェビナー収録をした際、「トレードマーケティングに関する本って、まだ日本にないんですよねー」という井本さんの一言をきっかけに始まった、この出版プロジェクト。ゴールデンウィーク明けに無事出版が決まってから、原稿執筆や校正、表紙デザインなどを経て、先日2月5日に校了!ようやくカタチになりました。
関わって下さった皆さまに、この場をかりて心より御礼申し上げます。

今回のFEZ LOGは、業務の合間を縫って人生初の書籍執筆に取り組んだ井本さんにインタビュー。『トレードマーケティング』にかける想いを聞きました。


「トレードマーケティング」って何ですか?
一般的なマーケティングとは何が違うのでしょうか?

トレードマーケティングとは、主に小売業や卸売業で仕入れを担当する「バイヤー」や、買い物客を指す「ショッパー」を対象にしたマーケティング活動です。
どうすればバイヤーが商品を仕入れたい・売場に置きたいと思うか、どんな売り方をすればショッパーの目に留まるのか、バイヤーやショッパーのニーズを捉えた施策によって、売上を最大化することができます。

一般的なマーケティング、いわゆるブランドマーケティングは、消費者を対象にしていて、どんな便益を持たせれば消費者が使いたくなるか、どんなパッケージにすれば魅力的に見えるかなど、消費者ニーズを捉えることが重要です。


「ショッパー(購買者・買い物客)」と「消費者」の違いは?

例えば、男性用のカミソリの場合、実際にカミソリを使う人(=消費者)は男性ですが、買う人(=ショッパー)の3割は女性と言われています。つまり、夫や息子が使う男性用カミソリを代理購買する場合があるんです。

この場合、消費者・実際の利用者への訴求ポイントは、切れ味が鋭いけど肌に優しいといった商品そのものの便益が重要になりますが、代理購買者への訴求ポイントは、テレビCM放映中とかお買い得といった異なる点が重要になります。

また、ショッパーに対するアプローチとしては、売り方も大切です。例えば缶ビールだと、今日は歩いてきたから・1人で家飲みするからバラ売りを買おう、今日は車できたから・週末キャンプに行くから6缶パックを買おう、といった感じで購買行動が変わります。

一方で、消費者へのアプローチとしては、その缶ビールの味や喉ごし、パッケージ等、商品そのものへのニーズや好みがポイントになるんです。


なぜ、今「トレードマーケティング」の本を出そうと思ったのでしょう?

人口減少や原材料の上昇、コロナ禍による生活スタイルの変化など、ここ数年で消費を取り巻く環境が大きく変わり、消費者ニーズ・購買者(ショッパー)ニーズも変化しています。

小売業界においても、例えば「フード&ドラッグ」という食品と医薬品・化粧品等があわせて買える業態が増えたり、小売企業によるプライベートブランド増加やD2Cブランドのオフライン進出に伴う棚取り競争の激化など、売場にも変化が見られます。つまり、メーカー側もこれまでと同じ売り方では通用しなくなってきているんです。

最近、メーカーさんから「商品の配荷(店頭に商品を並べること)ができない」というご相談をよくいただきます。
バイヤーやショッパーのニーズを的確にとらえ、自社ブランドの価値を正しく伝えていくという「トレードマーケティング」の重要性がより一層高まっている。だから、執筆を決めました。


これまでのキャリアを教えてください。

新卒でP&Gジャパンに入り、営業を担当しました。フェズ 代表の伊丹さんとは同期なんですよ。

1年目は、ひたすら店舗をまわり、店長さんやベテランのパート社員さんたちとリレーションを築きました。皆さんとのコミュニケーションを通じて、どうすれば自分たちの商品を目立つ場所に置いてもらえるか、店舗の方々にはどのようなニーズがあるのか、商品発注の裏側はどうなっているのか、といったことを学ばせていただきました。
ホームセンター業態の本部担当(バイヤー向き合い)等を経て、本社でトレードマーケティング部門に配属。洗濯用洗剤や柔軟剤等、誰もが知るブランドのトレードマーケティングを4年程担当しました。

その後、ジョンソン・エンド・ジョンソンでマウスウォッシュのトレードマーケティングを担当。営業の方々に自分の企画を実践してもらう機会を得るなど、新たなチャレンジをさせていただきました。

そして、“自分が何を得たいか”から逆算し、限られた人生の時間軸の中で足りないナレッジやスキルを早く身に着けたいと思い、当時30名弱の規模だったフェズに移ることを決めました。


フェズではどんな仕事に携わっていますか?

現在、統合ソリューション部の部長として、メーカー様向けにフェズの持つリテールデータの活用提案やROI向上に繋がるメディアプランニング、電通グループと連携したプランニング等を行っています。

トレードマーケティング関連では、例えば、D2Cメーカー様に実店舗への進出の仕方(Go To Market戦略)や、どのようにすれば小売様へ商品の強みが正しく伝わるか(セリングストーリーの策定)等をサポートさせていただいています。また、広告代理店様向けにトレードマーケティングの勉強会を行ったりもしています。


今後、どのような仕事に取り組んでいきたいですか?

書籍の出版を機に、これまで以上に「トレードマーケティング」の啓発活動に注力していきたいですね。

「トレードマーケティング」というと限定的なイメージを持つかもしれませんが、リテール業界(小売店で販売される商品を作るメーカーを含む)は日本のGDPの3分の1にのぼり、日常生活に欠かせない領域です。

トレードマーケティングは、ブランドとショッパーの架け橋です。価値ある商品がそれを必要とする消費者に適切に届けられるようにするために、トレードマーケティングのコンセプトをより多くの方に知っていただきたい。これからの自分のキャリアの全てをかけて取り組んでいきたいと考えています。

トレードマーケティングの知識とフェズのソリューションを広めていくことで、リテール業界が抱える課題を解決し、消費者の購買体験を改善していけると確信しています。


最後に、この本をどんな方にオススメしたいですか?

メーカーの営業担当者トレードマーケターの方には、是非全ての章を読んでいただき実務に役立てていただきたいです。
メーカーのブランドマーケター広告代理店の方には、4章(実践)以外を読んでいただき、バイヤーインサイトを知っていただき、コミュニケーションの表現に役立てていただければと思います。
その他リテール業界に関わる方々には、1~3章を読んでいただいて「トレードマーケティング」のエッセンスを知っていただけると嬉しいですね。

志を同じくするトレードマーケターの方々、是非ご一緒にこの領域を発展させていきましょう!

この本がトレードマーケティングに興味を持つきっかけ、深く理解するきっかけとなり、リテール業界の発展に繋がる起爆剤になれば幸いです。


井本さん、熱いお話ありがとうございました!
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