こんにちは。広報の楊です。
10月27日~11月9日の「読書週間」にちなみ、今回はリテールDXコンサルティング部長の島田さん(写真左)、統合プランニング部長の井本さん(写真中央)、経営企画部長の山下さん(写真右)、3名の推薦図書をご紹介します。
リテールDXコンサルティング部長 島田さん
学びが多かったおすすめ書籍
『新マーケティング原論 ──「売れる戦略」のシンプルな本質』/津田 久資(著)
※直近読んでいい本だったなと思うもの
簡単な内容
博報堂・ボストン コンサルティング グループ出身の方が書いた本です。
一般的なマーケティングのフレームワーク(4Pなど)に対する著者の見解や解釈の仕方もあり、商品が売れるために何を考えるべきか、本当に多面的な角度で「マーケティング」に向き合った人が市場、ターゲット、事業会社の資産、アイデアで考えるべきことをシンプルかつストレートにまとめています。
この書籍との出会い
電通、Googleの後、コンサル会社に行って(1年目くらいですかね)からマーケティングに関する考え方の深さが自分の中で変わっていると感じていた時、出張時の空き時間で本屋に行き、自分の考え方とどう違うのかを比較してみようと思ったときに、【「売れる戦略」のシンプルな本質 新マーケティング原論】という挑戦的なキャッチとネーミング、経歴が似たような有名人が書いているので、買ってみました。
書籍の中からみんなに伝えたい1フレーズとその理由
「定義をしっかり反芻していただくことが、マーケッターにとって最も有益な学びになると筆者は信じています(中略)この定義を丸暗記する必要はありません。(中略)背景にある考え方をつかむということなのです。」
中身の話とちょっと違いますが、「背景にある考え方をつかむ」ことが重要だと書いていることに心から共感しました。自分も日々そう考えているからです。
これは役職者にも若手にも伝えたい言葉です。いつかはみんな新しいことをやることになります。しかし、多くの人は表層的なことばかりに注目しすぎていると感じます。起きている事象や、誰が何をいっているか、KPIがなんだ、これが流行っている、などと。
しかし、仕事においてはその背景を一個一個ひも解く作業を、自分の頭でやることが重要だと思っていて、本書はマーケティングの視点でそれを言語化しています。その視点を見てほしいですね。(ちなみに内容もフレームワークの使い方や、アイデアを出すうえでの物事の見方など、わかりやすいという意味でもオススメです。)
よく若手の人からおすすめの本を教えてください、という短絡的な質問を受けることが多いので、はっきり僕なりの意見を伝えておきますが、大前提、「経験に勝るものなし」と僕は思ってます。
本(特にビジネス本)の有用な使い方は以下3つだと考えます。
①自分にない知見・考え方を得る。②自分の考えの正当性を判断する。③暇つぶし。
多くの場合、①と答える人が多いですが、スタンスの問題があり、自分にない知見や考えが何なのか言語化できている状態で読めるかが重要です。
本は基本的に最大公約数に買ってもらえるようにわかりやすい(それは商売だから仕方ない)ので、読んで自分に知識がついた、頭がよくなったかのように錯覚することもあるでしょう。
一方で、書かれていることは著者の経験や考え(生きてきた背景も含む)であって、100%同じ経験・考えの人はこの世に存在しません。
つまり、書かれていることの完全な再現性はないということです。(本を読んで誰でも成功するなら、この世は億万長者だらけになるけど、そうなってないですよね?)
自分なりに内容を解釈しようとするスタンスで読んでいるかどうかが重要です。
最後に、そういうスタンスで本と向き合えないのであれば、オススメされた本を読むのではなく、尊敬できる人やすごいと思った人と飲みにいったり、時間をもらって話したり、意見をぶつける時間を持つことを僕はオススメします。
統合プランニング部長 井本さん
<新卒~30歳向け>
学びが多かったおすすめ書籍
『安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生』/安田 隆夫 (著)
簡単な内容
安田会長が、どのようなチャレンジや意思決定をして、今のドン・キホーテを作ったか、を紹介する自伝的な本。
一言、すごい。読んだら分かります。めっちゃ元気が出ます。
全てのページがエネルギーにあふれ、「新規事業開発」におけるマインドセットや、悩みに悩みぬいたからこその大胆な意思決定の重要さを感じます。
「成功者だから言える」と評価する人もいますが、逆に「こういう思考・意思決定をしたから成功したんだ」と素直に思える1冊です。
この書籍との出会い
P&Gのトレードマーケティングを担当していた時代、ものすごく忙しく、「自分だけ頑張ってるのに・・・」と悲観していた時に出会いました。いまだに時々開きます。
書籍の中からみんなに伝えたい1フレーズとその理由
「はらわたを振り絞って考えよ!」
「限界まで考えてチャレンジし続けられているか??」に答えるアンサー本です。「自分は頑張ってる」という自己評価を恥じるきっかけとなり、印象に残っています。
<GM以上向け>
学びが多かったおすすめ書籍
『良い戦略、悪い戦略』/リチャード・P・ルメルト (著)
簡単な内容
良い戦略とは何か、悪い戦略とは何か、を明快に言語化してくれる1冊です。世界的に著名な戦略本。
昨今「戦略」を便利な言葉として使うケースが多くなるがゆえに、悪い戦略が非常にはびこっており、戦略の本当の価値が見失われていると説いています。悪い例を具体的に提示しながら、逆に良い戦略を明確に構造化・言語化することで、あいまいな「戦略論」に、終止符を打ってくれる本です。
この書籍との出会い
P&G時代、戦略構築がメインミッションだった時に初めて読みました(20代後半)。当時は難しすぎて「ふーん」で終わってしまったのですが、最近あらためて、過去に自分が言語化してきた「戦略とは」と、比較しながら、また「FEZにおける戦略とは」を脳裏に描きながら読んだら、メモする手が止まらなかった1冊です。
書籍の中からみんなに伝えたい1フレーズとその理由
「診断、基本方針、行動」「目標と戦略は違う」
改めて、「アイデアドリブン」が戦略になり得ないことを実感しました。また、ちゃんと戦略にこだわった組織実行が、特に今のFEZのフェーズにおいて、絶対に実現しなければならない必須事項だと、改めて感じました。
戦略が単なる「抽象論」ではなく、「カッコつけるもの」でもなく、本当に戦略が持つパワーを、改めてFEZ全体に伝えたいな、と強く思いました。
+α 動画のおすすめ
<20代後半~40歳向け>
学びが多かったおすすめ動画
【感動】あなたの人生はあと何日?20代MIT卒経営者の心に響くスピーチ日本語字幕
簡単な内容
Dropboxの創業者の、MITでの卒業式スピーチ動画です。「テニスボール」「サークル」「30,000」の3つのキーワードで、キャリアを見通してくれます。
ネタばれになるので詳細は割愛しますが、「惰性で働く時間が増えてきた」という方には是非見てほしい動画です。
この動画との出会い
「P&Gの枠組みだけでなく、もっと自分はできることがあるのでは?」「このまま気持ちいいキャリアで、人生満足できるのか?」とキャリアに悩んでいた時に出会った動画です。
この動画がきっかけで、P&Gからの転職を決意しました。
動画の中からみんなに伝えたい1フレーズとその理由
「あなたのテニスボールは何ですか?」
人生観を変えてくれた一言です。本気で「夢中になるものは何か」を考えるきっかけになり、この動画のおかげで、「人生を賭して、トレードマーケに賭けよう」と決心できました。井本にとって、「トレマおじさん」を自称するきっかけにもなりました。笑
経営企画部長 山下さん
学びが多かったおすすめ図書
『「ついやってしまう」体験のつくりかたー 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ』/玉樹 真一郎(著)
簡単な内容
任天堂でWiiの企画を担当したゲームプランナーの方が、「人はなぜゲームで遊ぶのか?」という問いに対して、具体例を交えながら、平易な言葉で解説している本です。
ゲームを題材にしつつも、メッセージはそこにとどまらず、仕事や日常生活においても、「人が何かに対して、自然と前向きに取り組むというのはどういうことだろう?」という疑問に対してもヒントになるような内容です。
かといって哲学チックな内容ではなく、平易な文章で内容も非常にキャッチーで読みやすいですし、ゲームで少しでも遊んできた方なら雑学としても楽しめると思いますので、気軽に読んでいただけるかと思います!
この書籍との出会い
前職のモバイルゲームの会社で、、社内のゲームプランナー/プロデューサーの間でおすすめされていたのと、Daniel Pink氏のモチベーションに関するスピーチがバズっていたこともあり、読んでみました。
実際に読んでみたところ、ちょうど自分が新卒のエンジニア採用を担当している中で、学生や社員のエンジニアが夢中になってものづくりに取り組んでいるのを目にしていたので、自分にとってはヒントになるところがありました。
書籍の中からみんなに伝えたい1フレーズとその理由
・私たちの脳は、常に「〇〇するのかな?」という次の行動について仮説をつくりたがっている
・誰かに命令・指示されることもなく、自然と直感し、遊びはじめてしまう
目標やゴール、自身のキャリア、他人の評価、といった切迫感ではなく、こういった自分の中のプリミティブな欲求が一番強い原動力になるのではと思います。(もちろん、チームの中で大事なことは他にもありますが!)
また、「マリオをプレイし始めて、はじめてクリボーを見た時に、プレイヤーは何を考えるか?」というくだりがあり、
仮説 自発的に「○○するのかな?」という仮説を立てる
試行 自発的に「○○してみよう・・・」と試しに行動を起こす
歓喜 自発的に「○○で正解だった!」と歓喜する
こういったサイクルが、実は1面の中でもくりかえし起こるからこそ、人は8-4をクリアするまでマリオをプレイしてしまいます。
たしかに、ピーチ姫がクッパにさらわれたから助けなきゃ!!と思ってマリオを最後までクリアする人はいないだろうなぁと思います。
まさに、目標やゴールも重要ですが、それだけを見ていると苦しいことが多いと思っていて、そこに至る過程で、仮説→試行→歓喜のサイクルを意識的に作っていく事で、日々の仕事にも前向きに取り組めるんじゃないかと思うようになりました。
自分自身のモチベーションに対して客観的にコントロールする事を考えるきっかけになりました。
島田さん、井本さん、山下さん、とても興味深い書籍や動画の紹介をありがとうございました!
この記事が、みなさんの人生をさらに豊かにする書籍や動画と出会うきっかけになれば幸いです。