こんにちは。広報の真鍋です。
人的資本経営やリスキリングに注目が集まる昨今。フェズでも、今春から人財育成の新たな取り組みが始まっています。
今回のFEZ LOGでは、人事管掌取締役の鈴木勇次に、人財育成の方針や課題感、取り組みなどについて聞いてみました。
フェズの人財育成方針について聞かせてください。
まず、スタートアップの事業環境、組織環境は目まぐるしく変わるという特殊環境だという前提になりますが、自力突破が強く求められる少人数の創業期と、一定の規模を超えてきた事業フェーズとでは、求められるスキルや知識は変化していきますので、僕自身も含め、全員に“変化”と“成長”が求められています。
とは言え、“変化”や“成長”することは簡単ではありません。全員が常にスーパーモチベーション、スーパーポテンシャルというわけでもありませんので、何かしらの気付きや成長する仕組みを提供していくことが会社として必要なのだと考えるようになりました。
一方で、個人が成長しなければ会社も成長しませんので、個人だけでなく組織としての成長を目指すための“人財育成の仕組み化”がとても重要となる規模になってきたのだと思います。
フェズの場合、新卒入社の20代から経験豊富な50代まで、年齢やバックグラウンドの異なるメンバーが幅広く活躍しています。
人の成長って、時期やきっかけという意味で十人十色だなと思っていまして。
例えば、1冊の本を読んでも、20代の時にはさほど参考にならなかったのに、30代になってから再度読むとすごく役立つことってあると思うんです。
働く環境や年齢、プライベートの状況等によって、モノの見方や感じ方、考え方は変わっていきます。スキル面だけではなく人間的な成長も含めて、一気に成長するタイミングもあれば、伸び悩んでしまうこともある。人って、どうしても経験値が上がってくると、自分の殻を破ってさらに高みを目指すのは難しくなりますよね。だからこそ、会社としては肩書きや年齢に関わらず成長し続けられるようにサポートする必要があると思っています。
昨年末頃に、取締役の間で「成長し続ける人とは?」という会話が増えた時期がありまして、具体的な施策の1つとして今年4月に新設したのが「自学自習制度」です。
「自学自習制度」とは、どのような制度ですか?
ざっくり言うと、自己成長の土台となる“学び”を会社として奨励し、費用面で支援する制度です。
具体的には、業務上必要だと上長が承認する書籍の購入や講座・イベントへの参加、資格の取得(テキスト代と合格時の検定費用)にかかる費用を会社が負担します。費用の上限とか内容とか報告とか、細かいルールは敢えて定めていません。少しでもやる気のあるメンバーに広く活用してもらいたいと考えています。
「自学自習制度」の利用状況は?
スタートしてから半年間で、全社員の約3分の1が利用した計算になります。業務に直結する内容での利用が多いですね。
資格取得に関しては、部署や有志団体でチャレンジしたWeb解析士、ID-POSデータ活用検定、統計関連が多かったです。フェズは、小売企業様から重要なデータをお預かりしているので、社内の「認定資格一覧」では、情報管理やセキュリティ、データ活用、エンジニア向けの技術資格を中心に定め、取得を促進しています。
エンジニア・非エンジニアという枠を超え、資格取得を通じて基本知識を習得することで社内のコミュニケーションもしやすくなるのではと考えています。
書籍は、新卒新入社員には入社前に推薦図書を提示していますが、その他は特に定めは設けていません。事業に関連する世の中のルールやトレンドは日々刻々と変わっていくので、各々の専門分野で不足している知識を得るのに必要な本を読んでもらえたらと思っています。
本については自分で買ったり借りたりして読んでいる人もいると思うのですが、全般的にもっと多くのメンバーに自学自習制度を利用してほしいです。
人財成長の羅針盤として、「人事制度」も重要な役割を担っていますよね。
はい。フェズの人事制度は、Value・Co-Valueを中心に会社として大切にしたい考え方に基づいて作っています。
年齢や経験の有無に捉われず、能力に応じて仕事を任される組織を実現するために「バンド&グレード制度」を採用しています。個人のキャリアに合わせて選択できるよう「マネジメントコース」と「エキスパートコース」の2つを用意し、各グレードのレベルを5つのバンドに分けることで期待される成果や働き方を明示し、成長段階がわかりやすいように区分しています。
「評価制度」は、“ValueとCo-Valueが再現性ある結果を生み出す”という考えのもと、「Missionの達成」「Valueの実現」「Co-valueの体現」の3つを均等に評価する仕組みにしています。
Missionは、経営戦略に紐づき上長とともに半期ごとに設定し上長が評価、Value・Co-Valueは360度評価としています。
バンドごとに研修も行っていますよね。
そうですね。半期ごとに昇格や入社によってバンドが変わったり決まったりしたメンバーに対して、そのバンドに期待される役割や業務への向き合い方、心の持ち様などを理解してもらう研修を設けています。
研修を通じて、部署横断で同じバンドのメンバーと話せる機会にもなり、あまり話をしたことがない人たちであれば関係を深めたり、お互いを刺激し合ったりするきっかけになればより良いなと思ってます。
現状、課題に感じていることを聞かせてください。
評価制度も、成長していく必要があると思っています。現在の評価制度は今期から新たに始まったもので、正直なところ完成度としては富士山の3合目くらいです。
Missionの達成に関しては、そもそもの目標設定力を上げていく必要があると感じているので、役職者合宿等を通じて経営戦略の理解度や各部署との接続を図っていこうと考えています。
ValueやCo-Valueについても、どうしても評価する人によってバラツキが出てしまい、スコアリングの難しさを感じています。例えば、「弱みを見せあう」だと、一見弱みがなさそうに見える人もいますし、人による感じ方やブレ幅が大きくなりがちです。共通の見解を構築していくためにも、もっとわかりやすい説明や良い事例を示していく必要があると思います。
好事例を示すという意味では、新表彰プログラム「FEZ VALUE UP AWARDS」も有効だと思います。
そうですね。ValueやCo-Valueを具体的にどう体現し、どう成果に結びつけたのか、全社で称賛すべき事例が示せるので、とても良い機会になると思います。やはり具体的な事例を見せるのが一番わかりやすいですからね。
表彰によって、本人にも他のメンバーにもさらなる成長を促進できればいいなと考えています。
今後、どのような取り組みを行っていきたいと考えていますか?
フェズは、いわゆる超一流の大手企業と連携させていただく機会も増え、リテールメディアの領域で最先端を走れる状況になってきました。だからこそ、これまでの組織・各々のビジネスマンとしてのレベルをもっと上げ、このチャンスを活かしていく必要があります。
我流のビジネススキルや仕事のやり方だけだと、会社としての生産性を下げてしまうこともあるフェーズにきていると感じています。納得感のある基準づくりや研修を通じて、全社的なレベルアップを図っていきたいと考えています。
また、会社が大きくなり仕事が細分化するにつれて、お互いを1人の人間として理解するのが難しくなりがちです。普段の業務時間だけでは、なかなかコミュニケーションが取りづらいので、例えば「部活」などを通じたプライベートな友人、人間として理解し合える機会を増やすと人間同士としての健全性が上がるなと思っています。
フェズにはユニークな人財が集まっているので、業務の枠を超えた交流の機会を増やしサポートすることで、お互いに刺激し合い成長するきっかけになればいいなと考えています。
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部活動へのサポート、大賛成です!!ゆうじさん、お話ありがとうございました。