こんにちは。広報の真鍋です。
8月、フェズの新卒メンバーたちが福岡市に本社のある新生堂薬局様にお邪魔し、丸一カ月店舗業務やデータ分析業務などを経験させていただきました。
今回のFEZ LOGでは、研修に参加したメンバー(リテールメディア事業本部 アカウントマネジメント部/小川創平、プロダクト開発部/恒次翔一・傳谷竜希・野末雅斗)に、一カ月間の学びや感想を聞いてみました。
研修前、どんな気持ちでしたか?どんな準備をしましたか?
小川:
今回の研修に当たっては、小池さんを中心に隔週でミーティングを行い、数か月前から事前に準備を進めてきました。新生堂薬局様のDMP開発の背景や、どのようなデータが入っているのか、先方からいただいたご依頼事項に限らずどのような課題解決をできそうか等についてお話を聞いたりディスカッションしたりしました。
私以外の3人はデータ分析に強く価値を返せるのに対して、私だけ職種が違うので、先方にどう貢献できるんだろうというプレッシャーがあったんです。小池さんに相談したら、ビジネスサイドだからこそ、課題の明確化や、分析結果をより分かりやすく工夫して伝えるといった部分でみんなとは違う価値を出せる、とアドバイスしてくださって。その言葉で前向きに臨むことができたと思います。
野末:
小売企業様が普段どのような業務をしているのかすごく興味があったので、実際に現場で見られる、体験させてもらえるということにワクワクしていました。
恒次:
楽しみな反面、何もできずに帰る羽目になるのでは?と期待と不安が入り混じっていました。
DX推進部長の畑島さんが、事前に社内の関係部署の方々にヒアリングをしてくださっていたので、その情報をもとにデータの分析や可視化に役立ちそうな「Looker Studio」「コネクテッド シート」等の使い方を予習して臨みました。
傳谷:
今回、新卒の3人に混ざって研修に参加できるということで、まずは一緒に行くメンバーと仲良くなるとことから始めました(笑)
新生堂薬局様へは、過去にもデータサイエンティストの先輩方等が派遣されていた実績があり、お話も聞いていたので不安はなく、とにかく勉強させてもらおうという気持ちでしたね。
実際に行ってみて、感じたことは?
野末:
一番想定外だったのは、店舗研修の際に全身筋肉痛になったことかもしれません(苦笑)
店舗業務がどれだけ大変なのか、お客様がどのように商品を購入されるのか、実際に働いてみないとわからないものだなと感じました。
恒次:
本当に。店舗業務は想像以上に肉体労働なんだなと感じました。
たまたま研修に入っていた期間中に台風がきて、店内で予期せぬハプニングが発生したんですが、長年お店で活躍されているパートの方たちがものすごく手際よく対応されているのを見て、店舗はベテランスタッフの方たちに支えられているんだなぁ、と実感しました。
データ活用に関しては、様々な部署に課題のヒアリングをさせていただく中で、ご依頼いただいた言葉通りにやればいいわけではない、という部分は発見だったと思います。様々な課題に対してどう解決策を導き出すのか、そもそもデータ分析で解決できる問題なのか線引きが難しく、勉強にもなりました。
傳谷:
店舗で一番衝撃を受けたのは、接客の温かさでした。お客様に寄り添っている印象で、普段通っている地元の店舗とはかなり違ったんです。
店長さんとお話させていただいた際に、「新しいDMPができてこれから業務が効率化できるけれど、新生堂薬局がやりたいのは作業の工数を減らすことではなく、お客様と向き合う時間を増やすこと、経営理念である『健康なくらしのお手伝い』を実現することだ」と仰っていました。この考え方が、店長さんだけではなくて、お店で働いているパートやアルバイトの方にも浸透している印象だったんです。これは、現場に行かなければわからなかったので、本当に行って良かったと思いました。
データ活用の面では、新たに構築したDMPを実際に使えるようにするための基盤づくりができたのはすごく良かったと思っています。
小川:
私も店舗での接客クオリティの高さを感じました。先程、傳谷さんのお話にもありましたが、本社でも店舗でも毎朝、経営理念や意識すべきことを唱和されていて、実践に繋げていらっしゃるのはすごく驚きましたね。
DMPの活用については、実際に構築したものを皆さんに今後どう使ってもらえるようにするか、完全には落とし込めなかったかなと甘さを感じていて、1ヵ月でやりきれなかったのが残念です。
具体的に、研修で取り組んだことは?
小川:
1か月間で取り組んだ課題(タスク)は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、データの可視化です。新たに構築したDMPを活用して日常業務で使用する帳票を作成できるようベースづくりを行いました。
2つ目は、データ分析です。新生堂薬局様が注力されている様々な販促施策について、どの程度効果があるのかを検証しました。
3つ目は、会員顧客のIDを抽出してクーポン等の販促情報を配信できる仕組みをつくることでした。
初めの1週間で、水田社長や営業戦略部、商品部など6つの部署の方々とミーティングをさせていただき、25個くらいの課題が出てきました。それらを4人で分担して取り組んでいきました。
その中で、私は水田社長からいただいた、One to Oneマーケティングや出店戦略に関する課題に取り組みました。
店舗では、品出しや賞味期限チェック、棚替え等を経験させていただきました。棚替えでは、設計書通りに商品を並べて棚を作るということがこんなに難しいのかと(苦笑)作業量の多さにも驚きました。
傳谷:
私は、主に会員分析のダッシュボードを作るといったデータの可視化に取り組みました。
恒次:
私もデータの可視化が多かったですね。例えば、特定の店舗での売れ筋商品等が分かるように「Looker Studio」で可視化したり、社内の方々全員が見られるポータルサイト上でDMPからデータ抽出した月次実績が確認できるようにしたりしました。
ポータルサイトに関しては、研修後も社内で使い続けていただけるツールにしたいと思い、傳谷さんと協力して最後の一週間で仕上げました。
店舗では、品出しや賞味期限チェックを経験させていただきつつ、せっかくの機会なので店舗で働く方たちの生の声を聞きたいと思い、積極的に話しかけるようにしていました。
野末:
私の場合は、データの可視化というよりはデータ分析を通じた売上予測に取り組みました。例えば、ドラッグストアでは珍しく惣菜コーナーのある店舗があって、お客様からも好評なのですが、どうしてもロスが出てしまうので、売上予測をすることで食品ロスを最小化したいというニーズがありました。
あとは、これまでエクセルでデータ集計等をされていた部分をDMPを使って作業できるようにしたいと注力しました。
この1ヵ月で学んだこと、今後に活かしたいことは?
野末:
人との関係性づくりというか、コミュニケーションの大切さみたいなことを学びました。初めの頃、新生堂薬局の方たちと業務の話というよりは趣味とかプライベートな話をたくさんしていたんです。そのおかげで、業務が進めやすくなったと感じる場面が多々ありました。
小川:
行く前に不安だったデータ分析について、この1ヵ月で最低限のスキルは身に付けることができたと感じています。今後の業務にも活かせると思いますし、さらにスキルアップしていきたいと考えています。
マインドセットの面では、今回の経験を通じて「リテールの成長ために、進化し続ける」というフェズのビジョンが、本当に重要なことなんだと気付けたことが良かったと思います。フェズが成長し続けることが、リテール業界にとって社会にとってどう良いことなのか、身をもって感じられたことは、これから働いていく上でのモチベーションになりましたね。
恒次:
一番大きな学びは、依頼を受けて業務を進める際に、相手の真意が分かるまでしっかりヒアリングをし、かつ自分の提案もきちんと言葉に出して伝え、お互いの理解を深めた上で進めることが大切だということです。個人的には、これを体感できただけでもすごく大きな成果だったと感じています。
傳谷:
現場の声を聞くことの重要性を感じました。これまでは、直接お客様の声を聞く機会もなく、自分の想像や考えを元に成果物を出していたんです。でも、実際に何に困っているからこのデータが求められているのかを理解した上で分析することがどれだけ大切か、今回それに気付けたのは良かったなと思います。
小川:
同感です!これは役立つに違いないと思い自信を持って提出したものが意外と響かなかったり、逆にそれほどでもないかもと思ったものが先方にめちゃくちゃ喜ばれたり。
恒次:
そうそう、10時間くらいかけて作ったツールにはあまり反応がなかったのに、30分くらいでササっと作った方は「これはスゴイね!」と喜んで使ってもらえたり。そういう意味で、スキルとリソースの使い方はよく考えないといけないなと思いました。
今回、新生堂薬局の方々は、私たちを新卒研修で来た人というよりも、データの利活用の補助に来た人というスタンスで接してくださいました。自分たち自身も、新卒だから・・・という態度ではなく、来たからにはきちんと成果を出して帰りたいという想いで臨んだので、ありがたかったなと思います。
小川:
今回、私たちのような新卒メンバーを大切なクライアント企業様に派遣するということは、会社としてもリスクになり得ることだったと思います。そんな中で、私たちの成長のために信じて送り出してくださったということに本当に感謝しています。
お世話になった新生堂薬局の皆さま、送り出してくれたフェズの皆さん、ありがとうございました!