2020年9月よりフェズのグループ会社として連携している、株式会社ファイブシーユー(以下、5cu)。「消費の活性化をサポートすることで、 『日本の元気』に貢献する」ことをミッションに掲げ、小売を中心とした店頭での実行支援業務(ラウンド事業)等を提供しています。
今回は、2023年7月に新社長に就任した秋田さん(写真左)と、フィールドオペレーション部の川西さん(写真右)、橋本さん(写真中央)に、ラウンド事業・ラウンダーとは何か?その魅力ややりがい等を聞いてみました。
5cuが手掛ける「ラウンダー」の業務とは?
秋田:
「ラウンダー」とは、メーカー様の営業担当者に代わってドラッグストアやコンビニ、スーパー等の店頭を巡回し、売上をアップさせるために、販促物の設置や棚の整理を行う仕事です。
5cuでは、このラウンダー業務に加え、推奨販売や店頭のバックヤードでの開梱作業やノベルティのベタ付け等、メーカー様の支援業務も行っています。
ラウンダーの必要性や魅力を教えてください。
川西:
メーカー様が制作した販促物が計画どおりに店頭で設置される率は、一般的に30%と言われています。それをラウンダー派遣をすることで、限りなく100%に近づけることができるので、とても重要な業務だと感じています。
営業担当者が自らラウンダー業務を行おうとすると相当な工数が必要ですし、全国の店舗をまわる交通費だけでも膨大なコストがかかってしまいます。しかし、我々のようなラウンダー事業者を利用していただくと、全国にいる登録スタッフを派遣できるので、コストを格段に安く抑えることができます。
店頭は、消費者が実際に商品を手に取る場所なので、売上への影響度はとても高いのですが、採用難でなかなか人材確保が追いつかない課題があります。そんな店舗運営をご支援するのは大きな意義があると感じます。
みなさんの担当業務を教えてください。
川西:
メーカー様に向けた新規営業を担当しています。メーカー様によって課題が異なるので、課題をヒアリングした上で提案を行っています。
一言で「ラウンダー」といっても、販促物だけ設置するのか、合わせて店頭での推奨販売も行うべきなのか等、ヒアリングした内容を基にカスタマイズした提案をしています。全国で一斉に新商品の発売やキャンペーンの立ち上げをしたいのに、自社の営業部のリソースが足りないという課題をお持ちのメーカー様も多くいらっしゃいます。そういったニーズにお応えすることが多いですね。
橋本:
私は、ラウンダーを実施する際のオペレーション部分を担当しています。川西さんは対クライアントの役割ですが、私は企画の活動内容が決まった後それを実現させる役割です。
具体的には、ラウンダー業務を行ってくださる人の手配から活動終了後のレポート提出までを行っています。例えば、ラウンダーの活動内容をマニュアルに起こしたり、e-ラーニングでの周知、活動に間違いがないかのチェック及び最終報告書の作成・提出をしています。
実際にラウンダー業務を担当してくださるのは、5cuに登録していただいている方々です。案件が発生する度に募集をかけるので、登録者の稼働率の高さが事業の要となり、案件の成否を分けます。5cuの場合、登録者の稼働率や満足度が高く、案件のリピート率90%を約10年間保持しています。
秋田:
基本的に、ラウンダー業務に参加いただいている方々は、複数の同業他社にも登録していることが多いです。その中から5cuの仕事を選んでいただけているのは、橋本さんをはじめとしたメンバーが登録者様に対して信頼関係を築いているからこそ。また、作業時のミス発生を防ぐ工夫をしているため、店頭でのトラブルもほとんどありません。
橋本:
トラブルにはセンシティブな業界なので、ミスやトラブルを起こさないことはとても重要です。
そのために、誰が見ても分かりやすいマニュアル作りに力を入れています。また、初めてお仕事を依頼する方には、電話やオンラインなどご希望の方法で研修を行い、必ず依頼する方と事前に直接コミュニケーションを取って不安を払拭するようにしています。
5cuの強みを教えてください。
川西:
対応スピードの速さ(機動力)とミスの少なさ・丁寧さが強みだと思います。
一般的なラウンダー事業者が1ヶ月かかるような規模の案件を、5cuでは2週間ほどで対応可能です。これは、ラウンダー経験者のリピート率の高さとマニュアルの完成度が起因しています。やはり経験豊富な方が担当してくださると、手慣れているので作業も速いですし、質の高い棚作りが実現可能なのです。
また、マニュアルには、業務手順だけではなく、当日の服装指定や挨拶の仕方、店長への連絡方法、業界の専門用語まで丁寧に記載しています。
初めての方でもマニュアル通りに行えば、ミスなく業務を行うことができるようにしています。
5cuはフェズグループのラウンダー事業者なので、フェズがリテール業界に向き合う姿勢を評価いただき、小売事業者様から信頼をいただいています。加えて、フェズが連携しているID-POSデータやテクノロジーを活用したラウンダーの提案について期待いただいていると感じます。
実際に、クライアントであるメーカー様からは、「急な依頼でも対応できる機動力がある」や「他社に比べコストパフォーマンスが高い」等のコメントをいただいています。また、店頭実現度、販促物設置状況、現場でしか得れない情報やラウンダーコメントなどを盛り込んだ報告書も高い評価をいただいています。
業務のやりがいを教えてください。
橋本:
「5cuに頼むとトラブルがないので安心」「5cuで活動できてよかった」というクライアントや登録者様の声を聞けることが嬉しいです。やはり、こだわって向き合っている部分なので、実際に喜んでいただけるとやりがいを感じます。
川西:
メーカー様はお困りごとがあるからこそ我々に依頼してくださるので、その課題を解決できることにやりがいを感じます。ラウンダー業界における新しいサービスとして、コストシェア型のラウンダーを実施しています。メーカー様がそれぞれ行うラウンダー業務を5cuがまとめて担うことで、コストを抑え店頭実現率を上げることができる仕組みです。
例えば、「今まで500店舗しか回れなかったけど、同じ予算で1000店舗回ることが出来るようになった!」といった喜びの声をいただけるので、とてもやりがいを感じます。
秋田:
ラウンダーはリテール業界の課題解決において、とても重要な役割を担っており、やりがいを感じています。
ドラッグストア様向けに年間約450億円相当の販促物が制作されている一方で、その約7割が使われないまま廃棄されているのは、コストの無駄というだけではなく社会的な問題だと思います。
この課題を解決するためには、販促物を制作するメーカー様の努力だけではなく、小売事業者様の変化も必要です。しかし、店舗には五月雨式にメーカー様の業務実行担当者が訪れ、同様に大量の販促物が届きます。その度に作業の手を止め、対応をしなくてはならない小売事業者様の負担は計り知れません。この課題に向き合えることは、大きなやりがいです。
今後の展望について教えてください。
秋田:
我々が提供するコストシェア型のラウンダー派遣を広げていくことが、課題解決の大きな手助けになると考えています。メーカー様のコスト削減や設置実現率はもちろん、受け入れる側の店舗の対応、設置コストも削減できます。その上、販促物がしっかり設置されることで、消費者へ商品の魅力がより伝わる店頭になります。
この三方良しの仕組みを実現することが、リテール業界の変化に繋がると信じていますし、我々が目指すべきラウンダーの在り方だと考えています。
メーカー様が店頭に赴き販促物を設置しようとしても、店頭で断られてしまうこともあるのですが、我々のサービスは小売事業者様との協業施策であるため、施策実現率が上がります。あるメーカー様では、実際に過去4割程度であった販促物の設置率が、100%に近い数字に上がりました。
また、あるメーカー様では、小売事業者様の本部と合意した販促物を設置しようとした際に、店頭に送ったはずの販促物が既に廃棄されており、設置率が5割にとどまってしまった例もありました。販促物が五月雨式に届くことで、店頭のバックヤードに収容しきれず廃棄されてしまうのです。
こういった課題を解決するためにも、我々が第三者機関として関与していくことが重要だと考えています。そのためにも、時には小売事業者様にとって耳が痛くなるようなことも提言しています。向き合っているクライアントに苦言を呈すのは簡単ではありませんが、リテール業界への本質的な貢献には必要だと思い、情熱を持って取り組んでいます。
秋田さん、川西さん、橋本さん、お話ありがとうございました。