オン・オフラインのデータを融合し購買者起点のマーケティングを実現

オン・オフラインのデータを融合し購買者起点のマーケティングを実現
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※こちらの記事は、日経MOOK「実践!店舗DX」(2021年3月9日発行)に掲載されたタイアップ記事の転載です。


リテイルテック企業のフェズは、小売業界のDXを進めようとしている。
“セールスリフト”を目標に同社が提供する、小売とメーカーをつなげるプラットフォーム「Urumo OMO」の特徴と今後の事業展開を聞いた。

売上構成要素を向上させるセールスリフトを目指す

デジタル化の進展や電子決済の浸透によって、人々の消費行動は変化した。いまや消費者がメディアや情報を選択し、オフラインとオンラインを自由に行き来するOMO(Online Merges with Offline)が日常になりつつある。だが、小売業界における購買の大半は、リアルの店舗・店頭などが占めており、そうした現場で得られるデータを活用しきれていないのが現状だ。

リテイルテック企業のフェズは小売業界のDXを推進し、オンライン・オフライン双方のデータを融合させて購買者起点のマーケティングを実現するプラットフォーム「Urumo OMO」を提供している。「Urumo OMO」では消費者の認知に働きかける従来のマスマーケティングと異なり、店頭での売上向上を第一の目標として、購買者や来店者のデータを基に、興味・関心の獲得、認知を拡大する施策を打ち、購買・来店効率の最大化を狙っていく。

図表1UrumoOMO コンセプト

代表取締役の伊丹順平氏はP&GジャパンとGoogleを経て2015年にフェズを創業。小売現場の課題に向き合い、データやデジタルの持つ可能性に触れる中で、「売上を構成する要素を向上させる〝セールスリフト〟が重要」との結論に至ったという。

「現在、自社ブランドの認知を向上させ、小売店の棚を押さえたいメーカー様と、より良い条件で仕入れて、自店で消費者に購入してほしい小売様が、それぞれ施策を打つものの、消費者は必要としない広告を多く受け取ることになり、買いたいものが見つからない状態になっています。メーカー様と小売様がともに消費者へアプローチし広告・販促・店頭を最適化できるプラットフォームを提供することで、セールスリフトを実現したいです」(伊丹氏)


「Urumo OMO」でデータインフラを構築

小売の現場ではデータをオンラインで活かせる形に集約されていない。加えて、データ分析・施策提案まで一気通貫で行えるインフラが未整備だ。

「Urumo OMO」では、小売企業から許諾を得たうえで、小売店舗の購買データと位置データ、店頭データと共にオフライン・オンラインの情報をデータベース化する。そして、データを基軸に売り場の戦略立案や分析を行い、広告、販促、店頭連動などの独自サービスを小売企業とメーカーの双方に提供する点が特徴だ。

例えば、「店頭連動型広告」では店頭付近にいる人に広告を打ちながら来店を誘致し、広告と連動する店頭展開や送客ができる。「Urumo Ads」を使えば、特定の商品を買っている人に任意で広告を打つだけでなく、広告を見て実際に来店や購入に繋がったかの検証も行える。

社長室室長 兼 事業開発部部長の安藤尚人氏は、「当社の担当者が企画や開発、OMO施策の立案と実行などを小売様・メーカー様と並走して行い、協働施策がどんな価値や変化を生んだかも双方にフィードバックしています」と説明する。


小売のDXを推進するデジタル変革のパートナー

「消費、そして地域を元気にする。」をミッションに掲げるフェズは、「小売DX」の推進にも注力する。2021年の夏以降に具体的なプロダクトを提供する予定だが、「Urumo OMO」同様データドリブンなサービスを予定しているという。

「例えば、数百~数千点の店舗でバイヤーの計画がどの程度実行できているか管理できたり、店舗ごとの売上向上要因をAIを用いて分析したりできるプロダクトを予定しています。DXというと業務効率化がイメージされがちですが、当社では売上向上を実現するDXを進めていきます」と伊丹氏は明かす。

D2C(Direct to Consumer)のような新たなビジネスモデルに、小売企業・メーカーが参入する中では、売り場の差別化がさらに重要になってくることが予想されるという。伊丹氏は、「小売業界のデジタル変革のパートナーとして、OMOやDXで得た知見を活かしつつ、将来的には日本の小売業界の価値向上に貢献し、小売企業の海外展開なども後押ししていきたいです」と語った。


OMO施策がボタニストシリーズの新商品販売における売上最大化に寄与

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店頭プロモーションの売上貢献度や店頭展開の実現性の把握など様々な施策効果の可視化を狙い、株式会社I-neはウエルシア薬局と協働でOMOプロモーションを実施した。ウエルシア薬局への店舗送客を目的とし、『ボタニストヘアマスク』をウエルシア薬局スタッフからオススメする形式でオンライン動画広告の配信を1カ月間実施。動画の視聴率を上げる工夫として、店舗からのお得情報という切り口でウエルシア薬局からの訴求であることを動画の冒頭から発信した。

また、広告配信期間と同時期に全国のウエルシア薬局を対象にラウンダーを派遣し、『ボタニストヘアマスク』のキャンペーンを訴求する売り場をエンド棚に展開した。

「売上効果としては、施策実施期間において『ボタニストヘアマスク』の売上金額が前月比約221%と大幅伸長し、多くの新規獲得にも成功しました。シャンプー・トリートメントとの併売件数は、前月比約150%以上、施策実施後ブランドシェアも向上し、以降維持できていることから、デジタルと店頭の連動施策の効果を改めて感じております」
(担当:株式会社I-ne 営業部 大菅様)