【キャリア採用】コーポレート本部 法務部長/池津 亜理沙(2020年6月入社)

【キャリア採用】コーポレート本部 法務部長/池津 亜理沙(2020年6月入社)
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これまでのキャリアを教えてください。

新卒で株式会社リクルートに入社し、8年間、主に国内グループ会社の企業法務とリスクマネジメントに携わり、最終的に国内グループ全社のプライバシーに関するガバナンス体制強化PJにおいてプロジェクトマネジメントなども担当しました。最適なリスクマネジメント体制の構築と実現のため、綿密な計画を立て、関係各所との密なディスカッションなどを通じて、グループ全体のデータ活用のルールや運用体制の見直しを推進しました。

こうした経験から、会社が新たに何かを始める際に考え得るリスクを未然に防ぐために必要な対策や有効な社内体制の構築、リスク顕在化後の対処を含め、より大局的な視野をもってリスクマネジメントを実行するスキルが身についたと考えています。

転職を決意したのは、リクルートという会社を飛び出し、自分の力を試したいと思ったからです。


フェズへの入社理由は?

自分の力を試すという意味で、ベンチャーに絞り3つの軸を持って転職活動をしました。1つは、自分がワクワクできる事業で、その事業に伴走し創り上げていく役割が求められているか。2つ目は、自分のスキルや経験を活かしつつ、企業法務としてのスキルを高めていける環境があるか。そして3つ目は、ワークライフバランスの取れた働き方ができるか、です。

実は、フェズの他にも2社ほど条件に当てはまる企業があったのですが、フェズへの入社の最終的な決め手は“人”でした。
面接を通じて、リクルートで一緒に働いていた人たちと同じような仕事に対する高いモチベーションと、「この会社で社会を変えていきたい」という強い想いを感じました。同僚に対してリスペクトを持って働いている人が多いと感じたのも魅力でしたね。



現在の業務内容は?

法務の仕事は、法律やルールを守らせるという“守り”のイメージが強いですが、ベンチャーにおいては法律やルールを活用した“攻め”の支援ができるかが特に重要です。

攻めの領域では、会社が新しい事業やソリューションを開発・提供する際に、リーガルリスクやビジネスリスクを適切にコントロールして提供価値を高めること、特許等の知的財産権の積極的な取得や、資金調達やM&A等の経営の最重要アジェンダをリーガルの側面から推進・支援することなどがあります。

また、守りの領域では、契約審査や反社チェックを通じたリスクのある契約や取引の防止、会社法上必要な取締役会・株主総会の開催や商業登記、会社のガバナンス体制の構築・強化(フェズが制作する広告の社内審査体制の構築・運用やコンプライアンス研修の実施等)があります。

特にフェズの場合、複数の大手小売事業者様と連携し、大量のID-POSデータを適法に取得・利活用し続けることが価値提供の根幹となります。そのため、ソリューションの開発段階から事業部のメンバーと一緒に適切なビジネススキームやデータフローを設計するなどして、社会に対して適切な価値提供ができるよう取り組んでいます。


1日の平均的なスケジュールを教えてください。

私の場合は、9:30〜10:00頃に仕事を始め、20:00頃までには終えるようにしています。
資金調達や株主総会等の大きなイベントがない時は、守りの領域である契約審査や事業部からのよろず相談対応に2~3時間。攻めの領域である新しいプロダクトの開発や既存プロダクトのアップデートに関する相談対応が3~4時間。残りの時間は、外部の方との契約交渉に立ち会ったり、法改正等の動向ウォッチや専門性強化のため社外セミナーに参加して情報収集をしたり、コンプライアンス研修の準備等をしたりしています。

私は、日々のToDoをカレンダーに落とし込み、予定をしっかり立てるようにしています。何の課題を、どの日の、どの時間で、何時間使ってやるのかまで細かくカレンダーに記載。その際、“重要だけど緊急ではない案件”の時間もしっかり確保することを大切にしています。決めた予定はできるだけずらさず、集中して確実に終了させることを意識していますね。



仕事のやりがいや嬉しかったことは?

事業部のみなさんが世の中に対して新しい価値を提供しようとする際に、法律という武器をつかって実現をサポートできることが、一番のやりがいです。

また、2022年に行ったシリーズD(1st close)の資金調達も印象的でした。資金調達自体、携われる機会は少ないですし、もし調達できなければ企業が倒産する可能性さえある重要なイベントです。経営陣や投資家が求める期日までに法務DDの対応や、投資家との契約交渉や手続きを行い、無事調達まで完了できたときは、とても達成感がありましたね。
資金調達で重要なのは、外部の方々からフェズの価値を評価してもらうことです。取締役と共に私もフロントに立ち、投資契約や資本提携契約に関する契約交渉や手続きを行うため、自分の仕事のクオリティがフェズの評価に直結するという緊張感のあるミッションでした。そんな中、クロージングの際にある投資家の方から「こんなコーポレートの人がいるなら、フェズは大丈夫だね」とのお言葉をいただけたことはとても嬉しかったです。
もちろん評価の対象は、交渉を行っている期間だけでなく、過去数年に及びます。それまでの業務に対する姿勢やクオリティ、自分が大事にしてきたことが外部の方にも伝わり、それが会社の評価として戻ってきたことが実感でき、大きなやりがいを感じました。



失敗談や悔しかったことは?

フェズに来てから仕事上の失敗はないですね(笑)役割上、失敗が許されないポジションですし。

ただ、悔しい思いをしたことは何度かありました。やはりベンチャー企業は変化が多いので、一度決めても変わってしまうことが度々あります。経営陣が実現したいスケジュールに合わせ、せっかく準備したことが無駄になってしまったり、逆にものすごいスピードを求められたり。そんな経験から、胆力が培われた気がします(苦笑)


フェズの好きなところは?

行動に移すのが早いところです。
「こういうのやってみたら面白いのではないか」とか、「これやってみたらいいよね」となれば、みんなで一気に動けるのは魅力です。経営層からの発案だけでなく、ボトムアップでも経営層が動いてくれます。フレキシブルさや行動力は好きなところですね。

また、フェズのコーポレート部門の良いところは、現場に寄り添うことをとても大事にする人が集まっている点です。一般的にコーポレート部門は、守りの側面が強く失敗できない上に、急に計画が変わることに対してストレスを抱える部署だと思います。イレギュラーを防ぐために厳しくルール化し、規律正しい人が活躍できる環境ではあります。
一方で、フェズのコーポレートメンバーは、規律を大切にしつつも成長期のベンチャー企業にとって必要不可欠な柔軟性を兼ね備え、現場を第一に考えています。会社にとって価値のあることや成長に繋がることなら、「なんとかする!」と動ける人たちです。コーポレートという組織では珍しいと思いますし、すごくいいメンバーが集まっていると感じます。



フェズで挑戦したいことは?

まずは上場の実現ですね。ただ、上場はゴールではなく通過点です。上場すると、社会的な信頼も高まり資金も集めやすくなるので、より成長に対する投資が可能になります。会社が拡大するために重要なことだと考えています。現在法務の責任者を任せていただいているので、自らの手で上場をやり遂げてみたいです。


人生において挑戦したいことを教えてください。

私は、人生の目標をあえて決めないようにしています。唯一大事にしたいと思ってるのは、どんな時代になってもスキルを活かし社会に価値を提供できる人間でいることです。

法務の領域だけがやりたいことではないので、その都度自分が興味を持ったことや、そこで活躍したいと思ったときに、その環境に飛び込んでいけるだけの武器を持っていたいですね。貪欲的に戦略的に、知識を深め経験を積んでいきたいです。